
【第4回】RSとZの違いを徹底解説|“同じ2.5L”なのに走りが別物な理由
あつしです。
クラウンエステートを3回試乗して、
「ZとRSって、こんなに違うの?」
と驚いたのが今回のテーマ。
同じ2.5Lエンジンを積んでいるのに、
走りのキャラクターがまったく違う。
その理由を、できるだけ分かりやすくまとめました。
結論:RSは“モーターを使い切れる車”、Zは“モーターを補助で使う車”
まず最初に結論から。
- Z:モーターは“補助”
- RS:モーターが“主役”
この違いを生み出しているのが バッテリー。
バッテリーの違いがすべてを決める
● RS:リチウムイオン電池(51Ah)
● Z:バイポーラ型ニッケル水素電池(5Ah)
容量が 10倍 違う。
さらに、扱える電圧も違うため、
同じモーターでもRSのほうが“引き出せる力”が圧倒的に大きい。

出力の違い(数字で見ると一目瞭然)
エンジン単体
- RS:177PS
- Z:190PS
→ 実はZのほうがエンジンは強いセッティング

そして積んでいるモータは同じ

しかしシステム総合出力は
- RS:306PS
- Z:243PS
→ RSのほうが63PSも高い
つまり、
RSはモーターの力を“長く・強く”使える車
ということ。
実際の走りの違い(体感ベース)
● 発進〜低速
- Z: 車重2tを感じる
- RS: モーターが一気に引っ張るので軽い
RSはアクセルを踏んだ瞬間に「グン」と加速する。
Zは「よいしょ」と動き出す感じ。
● 中速域
- Z: すぐにエンジン主体に切り替わる
- RS: モーターだけで中速まで引っ張る
RSはモーターのトルクが長く続くので、
街中の加速がとにかく気持ちいい。
● 強い加速
- Z: すぐエンジンが頑張り始める
- RS: モーターで“ぐ〜〜〜っ”と加速してからエンジンにバトンタッチ
この“モーター→エンジン”の繋がりが自然で、
RSは加速の質がとても滑らか。
バッテリーの違いをもう少しだけ深掘り
● Zのバイポーラ型ニッケル水素電池
- 高出力
- 安全性が高い
- コストが安い
- HEV向けに最適化
Zは「燃費とコストと応答性のバランス」を取った電池。
● RSのリチウムイオン電池
- 高エネルギー密度
- 高電圧
- 長寿命
- PHEV向けに最適化
RSは「モーターを主役にするための電池」。
走りのキャラクターまとめ

どっちが良いか?
これは完全に用途次第。
✅ RSが向いている人
- 加速の気持ちよさを重視
- EV領域を長く使いたい
- 静粛性を求める
- 走りの質を重視する
✅ Zが向いている人
- 価格を抑えたい
- 充電環境がない
- ハイブリッドの自然な走りが好き
- 長距離での燃費を重視
まとめ:RSは“電動の気持ちよさ”を最大化したモデル
RSは、
- 大容量バッテリー
- 高出力モーター
- EV領域の広さ
- 滑らかな加速
- 静粛性
これらが合わさって、
「電動車としての気持ちよさ」を最大化したモデル でした。
次回は最終回。
走行性能の総まとめ(加速・ロール・静粛性・総合評価) をお届けします。


