
【第5回】クラウンエステートRSの走行性能まとめ|加速・ロール・静粛性・総合評価
あつしです。
クラウンエステートRSを何度も試乗してきて、
「この車の走りはどうなのか?」
という部分を、最後にまとめておきたいと思います。
結論から言うと、
“電動の気持ちよさ”と“クラウンらしい快適性”が高い次元で両立した車
でした。
加速:モーターのトルクが“気持ちよさの源”
クラウンエステートRSの加速は、とにかく滑らかで気持ちいい。
● 発進〜低速
アクセルを踏んだ瞬間に、
「グンッ」 と前に出る。
- ラグがない
- モーターのトルクが即時に出る
- 2tの車重を感じさせない
Zでは「よいしょ」と動き出す感じがあるけど、
RSは“軽い車”のようにスッと動く。
● 中速域
アクセルを少し踏み足すと、その分だけ自然に加速。
この領域は ほぼモーターだけで走る。
街中の加速がとにかく気持ちいい。
● 高速域
強く踏み込まない限り、
100km/h超までモーターで走れる。
強く踏んだときは、
- 最初にモーターが強く引っ張る
- その後エンジンがバトンを受け取る
この繋がりが自然で、変速ショックのような不快感がない。

ピッチング:ノーマルは少し出るが“許容範囲”
ノーマルモードで急加速すると、
ノーズが少し上を向く感覚があります。
背中にかかる力も、
“正面”というより“少し上方向”に押される感じ。
ただ、これは2tクラスの車なら普通の範囲。
- コンフォートモードでは少し抑制される
- ただし60km/h以上ではノーマルと同等?
コンフォートモードで加速してみると少しピッチングが抑制される感覚があった。
後席の快適性を重視しているためか?
「踏み込むときにコンフォートにするか?」という問題はあるけど、
試してみたいポイントではあります。
ロール:通常走行ではほぼ気にならない
高速でコーナーに入ると、
外側にロールが出るのは事実。
ただし…
- AVS(電子制御サス)がロールを抑えてくれる
- シートのホールドが優秀で体が流れない
- 通常走行ではロールを感じる場面はほぼない
比較すると…
- RX450h+、CX-60、CX-80 → 体がシートの外側まで流れる
- V60、レヴォーグ → ロールほぼなし(車高が低い)
- クラウンエステートRS → 体はシート内で保持される
ワゴン×SUVの車高でここまで抑えているのは優秀。
ただ、シートの保持に関しては、そこまでしっかりとしたものではなく、シート内での遊びは出る。車の特性としてスポーツ仕様ではなくゆったり快適に走る車という位置づけなので、そこは仕方のない部分という思いはある。
クラウンエステートRSはPHEVでバッテリーは18kWh程度で200kgほど
これがBEV車レベルのバッテリー搭載して500kgオーバのバッテリーが床下に搭載されたらさらに低重心で安定してロールも少なる気がするが、bz4xのツーリングも今後出てくることを考えるとエステートのBEV化は無いかもですね。
静粛性:外の音は聞こえるが“振動が入ってこない”
静粛性は本当に高い。
- 床下からの音 → かなりカット(ただ正直もう少し頑張ってほしい感はある)
- 窓からの音 → アコースティックガラスで抑制
- 音の“振動”が車内に広がらない
外の音は聞こえるけど
十二分に静かだ
どうしても足元からの音はまだ目立つ印象がある
エンジン搭載車の限界なんだろうか?それでも同じICE(内燃機関)のAudi A6/A7などよりは少なく感じる。
RSにはAVS(電子制御サスペンション)が標準装備
AVSは路面の凹凸や入力に応じて減衰力を瞬時に調整してくれるので、
“音の振動”が車内に伝わりにくい。
- 小さな段差
- アスファルトの継ぎ目
- 路面のザラつき
こういった“微振動”をAVSが吸収してくれるおかげで、
静粛性がさらにワンランク上がっていると感じた。
特にEV走行中はエンジン音がないため、
サスペンションの質がそのまま快適性に直結する。
RSはここが本当に上手い。
エンジンがかかった瞬間は音が入るけど、
それまでが静かすぎるから余計にそう感じるだけ。
会話は普通の声量で全く問題なし。
総合評価:RSは“走りの質”で選べる車
クラウンエステートRSは、
- モーターの強いトルク
- 滑らかな加速
- 高い静粛性
- ロールの少なさ
- 取り回しの良さ
これらが合わさって、
「走っていて気持ちいい車」 に仕上がっていました。
低車高のスポーツワゴン(V60やレヴォーグ)には敵わない部分もあるけど、
SUVやPHEV勢の中ではトップクラスの走り。
普段の街乗りはほぼEVで静かに走れて、
踏めばしっかり加速してくれる。
“日常の快適性”と“走りの楽しさ”を両立した車
というのが、最終的な印象です。
快適性が欲しいが、しっかりとした走り性能も欲しい。
AVSとDRS、そしてPHEVのモータがこの相反する性能を両立させてくれています。
そして、
奥行2mの広大なトップクラスのフラットなラゲージ
広大なパノラマルーフ
後席のシートヒータ
センターとラゲージ2か所の100V1500Wコンセント
などの実用性機能が盛りだくさんなんなのも、国産の日本仕様として作られているからこそと言える。
十分な走り性能と圧倒的な実用性 これがクラウンエステートRSの魅力となっている。


